加齢と共に最も恐れるべきこと

人に物事を教え伝える仕事をしていて常々思うのは、「人は何歳になっても進化・変化・成長を止めないことが最も重要である」という事。言い換えると、謙虚さ、素直さ、勤勉さ、向上心等の言葉を忘れることなく言行一致させるということである。

逆にいうと、自分は出来ている、知っている、わかっている、満足している等と、その時々に“慢心する”という事。この状態を他人は「あの人は凝り固まった考え方だ」、「意固地になっている」、「昔と変わっていない」、「聞く耳を持たない」等と表現する。

この悲しむべき状態は当人は認識しづらい。人に指摘されるなら幸運と言えるのだが、この状態の人は他人に指摘されることを嫌い拒絶しがちなので、結局、聞き入れる訳もなく、変化する事は無い。

人は年齢を重ねると、自分の望む地位や給与、生活などを得て、充実感に満たされることがしばしばである。そして、それに至った自分自身を認め、評価したくなるものである。

そうすると、そこに至ったプロセスを忘れ“止まって”しまいがちである。

能力がある故に、自分の現在の地位や環境を的確に捉え、更に組織の一員であれば、更なる出世の可能性の有無も見通せてしまう。

そんな心が仕事面で生じてしまうも、プライベート面ではそう陥らず、進化・変化・成長しているならば、人としての歩みは止まらないと言える。

しかし、時間の大半を仕事に割いてきたからこそ、得た地位や環境を急にプライベートに裂くと言う事は決して容易ではない。むしろ、得た地位や環境を維持する為には、従来同様、またはそれ以上に求められることが生じる。だからこそ、更なる進化・変化・成長が困難である理由を並べたくなる。

仕事と言う貴重な時間を多く裂く中で、人として進化・変化・成長する機会は多くある。しかし、一般論、仕事は一生涯行う事は無いので、仕事する時間がポッカリ空いた時に人としての進化・変化・成長機会はなくなりがちなので、「定年すると様々な事が老ける、衰える」と言われているように思う。

強く認識するべきことは、進化・変化・成長は“自分の意識でしかコントロールできない”=人が何かしてくれることはないという事。そして、進化・変化・成長は“遅い早いは関係なく、とにかく止めない”=人と競わずマイペースで行くという事。更に、進化・変化・成長は“目的と目標を設定する”=根性論や闇雲に行わないという事。

わかりやすく言うと、一度きりの自分の人生の目的を立て、時にそれを変えても構わず、立て続ける事。そして、それに向かってマイペースでコツコツと大なり小なりの目標をクリアーし、自分を褒めつつも歩みを止めない事。結果は死ぬ瞬間にしか出ず、その結果を自分が納得できるかどうかだけ。

 

 

 



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