社長だからと言って経営能力があるとは限らない

“社長”と聞けば、「すごい」、「偉い」、「立派」、「お金持ち」、「遠い存在」等々の形容詞が出てくるかと思う。

人は“社長”と名乗る人に一定な思い込みがあるようだ。

 

表題の通り、「社長だからと言って経営能力があるとは限らない」のである。

私の経験値では、多くの社長が中小企業の創業者であるが、それらの方々の共通項は“トップセールスパーソン”という事。

言い換えれば、一組織人だとすれば、「他人に圧倒的な差をつけるセールス能力を持った人」である。

 

なので、中小企業の社長の多くは走り歩いている。

正確に言うと、「創業期は」である。

違う言い方をすると、創業10年以上経過しているにも関わらず、社長自らが走り歩いている状態の会社とは、社長が自分の会社組織をつくれずに、創業期のまま今に至っている、と言える。

これが、「社長だからと言って経営能力があるとは限らない」という事である。

 

セールス能力と経営能力は異なる。

セールス能力は、「話し上手」、「相手心理を見抜く力が長けている」、「交渉力がある」、「頭の回転が速い」、「気が利く」等の言葉が問われる。

経営能力は、「全体を見通す能力がある」、「我慢強い」、「継続力がある」、「謙虚である」、「感情を抑えることが出来る」等の言葉が問われる。

セールス能力と経営能力の根本的な違いは、その能力を前者はお客様(社外)に向け、用い、後者は社員(社内)に向け、用いるのである。

なので、会社に居る時間が短かったり、役員や社員と話す時間より社外の人と話す時間が多い社長の会社は、殆ど多くの場合、「社内がガタガタ落ち着かない」、「いつも同じ様な内容でトラブルが起きる」、「社員定着率が悪い」と言った事象が起きている。

要は、会社をつくり切れていないのである。

自分の会社は役員つくるのではなく、社員がつくるのでもない。社長自身がつくる以外ない。

にも関わらず、「売り上げが無くなったら会社はつぶれる!」と言い張り、ひたすらトップセールスに走る。

 

繰り返しになるが、業歴10年以上経過し、いつも新しいことを行うも数年間売り上げも利益も大きく増加も現象もしない、しかし、社員は定着せず常に入れ替わりがあり、いつも同じような事ばかり起きている、と言った会社は社長に経営能力が無いと判断していい。

以前、記したように、「人を肩書で判断してはいけない」のである。

 



コメントを残す