レジデータは無言のアンケート結果

レジデータに価値を見出しているかどうか?

レジのあらゆるデータは、お客様が無言で答えてくれた価値あるアンケート結果である。しかも全て定量的=数値として示される。

特に注目すべきは「FD比」、「客単価」、「商品出数」。「FD比」とは、客単価に占める食べ物と飲み物の売上比率でお通し料やチャージ、サービス料は含まない。

そしてこれらを時間帯別、曜日別、月別に分類する。

 

データをより良く活用するためにはレジの設定が重要となる。逆に言うと、最もダメな設定は、「フリー」のキーを設け、単価だけを入力して対処出来る状態。これでは、何の商品がいくらだったのか全く分からなくなる。

出来るだけ細かく設定する。例えば、昼営業と夜営業を行っていてアイドルタイムを設けているなら、同一商品名で同一単価であっても、「昼〇〇〇」と「夜〇〇〇」に分ける事で、同一商品であっても昼夜どちらの時間帯に出たかが判断できるようになる。これは私が知る限り、商品出数データは時間帯別設定が出来ないから、この様に設定する必要がある。

 

定量的データ=各種数値の変化は、実際の営業と照らし合わせ、客単価が増減していれば、増減している理由が明確でなければならない。例えば、接客上、口頭で何かを積極的におすすめした商品や期間があれば、当然的にその商品の出数は増加する傾向となる、という事である。

上記の様に、何か意図した営業活動することなく淡々と営業しているならば、そのデータは正に、お客様の無言のアンケート結果と言える。

データを見る際は大別すると3分類され、「数量順」、「売上順」、「粗利順」。最も重要なのは「数量順」。

商品の単価によって影響されるが、先ずは出数の多い順から並べてみる。当たり前の事だが、出数が多いという事は「支持された」、「好んでいる」という事であるが、考えるべきは、「何故、その商品が支持されたか?好まれたか?」である。

その際、「美味しいから」は除外する。何故なら、味覚は十人十色、目に見え無いことで“嗜好”なので、好きか嫌いかと言い換えられる。更に、下位の商品は「不味いから」支持されなかった、好まれなかった、となるであろうか?あなたの店は不味いものを意図的に出しているのだろうか?そんな訳はないと思う。だから、「美味い、不味い」を論じるべきでないのである。

「何故、その商品が支持されたか?好まれたか?」を考える事は、お客様がその商品を頼んだ動機=’心理’を考える事。言うなれば、データ分析はお客様の’心理’を読み解く事。よって、商品を考える時はお客様心理を「仮説化」するという事。

「仮説化」するからこそ、「仮説と検証」という言葉の通り、データとして定量的になっているので“振り返り”が可能となる。

 

レジデータ無しに記憶と感覚を頼りに行えば、あてずっぽうの一か八かと同様の行為で、且つ、属人的で共有しづらい事となる。個人店で現オーナーの一代限りの店としているならばそれで構わないが、法人事業で永続性や展開を考えているならば、レジデータは絶対必要なものである。

「傾向と対策」という言葉がある通り、傾向=現状=レジデータを的確に細かく把握する事無しに有効な対策は講じられない。逆に言うと、傾向=レジデータが適当であればある程、適当な対策しか講じられないとなる。

 

売上が下がった!何とかせねば!となった時、口コミサイトや集客サイトに掲載するか否かを考える前に、レジに存在する、お客さまからの無言のアンケート=お客様様から店へのメッセージを深く読み解くべきである。

無言でこそあるものの、それらのデータはお客様がワザワザ足を運んで“来て”いただき、“直接”置いて行かれたもの。それ以上に価値のあるものがあるでしょうか?

 

 

 



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