“率先垂範”を誤解すると、継続的にリーダーがやり続け、部下たちがいつまで経っても育たなくなる。
“率先垂範”は“やって見せる”=“手本を示す”という事であって、やり続ける、という事ではない。
得てして、事業の核となる活動は、社長が得意とする事であるから、部下に任せると物足りなかったり、不満であったり、自分と違ったりすることで、ついつい手も口も出して、結果的に従来通り、社長が一人仕切って、走り回っているとなりがちである。
本業(核の事業)がコケたら会社は潰れる!という正しい考えが、部下に任せきれない状態を生み出す。
しかし、頭では任せて育て、自分が手を放せる状態にして、違う事をやらねば会社は大きくならない、と理解している。
育てるには長い時間がかかる。
育てるには失敗が伴う。
これらを「損失」と捉えるか「投資」と捉えるか。
これまた、「投資」であるべき、と頭でわかっている。
しかし、“精神的”、“金銭的”余裕の無さから「損失」を恐れ、従来通りの“率先垂範”。
たちが悪いのは、その事業実務をやっていて楽しいから、自分が続けてやりたく手放せない状態の社長。
これでは何処まで行っても「社長」と言う名に隠れた「営業本部長」が実態。
こうなっていると、部下は不幸である。いつまで経ってもアシスタントかつかいっぱしり状態。
マトモな社員なら、こんな会社イヤだ!と思って辞めていくだろう。
育てるには時間も金も掛かる。
一番必要なのは色々な意味での「我慢」。
逆に言えば、人を育てていない、育っていない会社の社長は「我慢」が出来ないと言える。
一代限りで終える、事業の拡大は望まない、というならば、生涯現役トップセールスでヨシ。
違って、永続性や拡大を望むなら、社長自ら「我慢」出来なければ実現できない。